「今日はいい天気だね」


「ほんとうね」


「おや、ごらん。カエルが並んで合唱しているよ。かわいいね」


「いやよ、カエルなんて気持ち悪い」


「君はカエルが嫌いなの?」


「ええ、きらいよ。大っ嫌い。ぬるぬるしてるしゲコゲコって鳴き声も気持ち悪いし…」


「ふうん。でも僕は、化粧水でベタベタしたキミの顔やキーキーなく金切り声の方が気持ち悪いと思うよ」


「それに、カエルって舌を伸ばすでしょう?アレがたまらなくイヤなの」


「そうかそうか。でも僕は、キミがキスするときに舌を入れてくることの方がたまらなくイヤなんだ」


「とにかく、私カエルは嫌いなのよ」


「そうなんだ。でも安心してよ。キミのカエル嫌いより、僕のキミ嫌いの方がすごく大きいから」



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